深層学習における敵対的ネットワークを用いた半教師あり学習

本研究では,自己符号化器の潜在表現に対して任意の事前分布を適合させることにより自己符号化器に正則化を施し,半教師あり学習において画像の識別精度を向上させる手法を提案する.この手法では,教師なし学習において優れた成果を出している敵対的自己符号化器における潜在変数を分離し,敵対的ネットワークを使用してそれぞれの潜在変数を多変量標準正規分布N(0,I)と一様 分布に近づけ,独立性を持たせる.潜在変数に独立性を持たせることで,識別に必要となる情報をそれ以外の情報から切り離すことが可能となり,半教師あり学 習において識別精度の向上を実現させることが出来る.また,このモデルは自己符号化器を使用しており,この生成モデルを使用することにより画像の生成を行うこ とが出来る.実際に画像の生成を行うことにより,学習したモデルがラベル情報とそれ以外の情報の分離を行えていることを,MNISTデータセットを使用して示す.