監視カメラ映像に写った歩行者の行動解析

現代において監視カメラの普及が進んだことで,映像監視システムは大規模なものとなり,目視確認では迅速な対応や適切な判断が困難な状況となっているため,監視カメラからの不審者などの異常行動の検出する研究がより重要度を増している.しかし,行動が異常とみなされる基準は与えられた環境によって変化することもあり,人は経験に基づき判断することができるが,その基準を明示的に設定することは容易ではない.そこで本研究では,深層学習の手法の一つであるLong-Short Term Memory(LSTM)を用いて,監視カメラ映像から異常な動きをする歩行者を検知する手法を提案する.まず,映像のフレーム間で背景差分という手法を用いて,変化している箇所を得ることにより歩行者を検出した.次に,前後のフレームで位置の近い検出物を紐付けするHungarianAlgorithm(Hungarian Algoritm)を用いて,同一の歩行者を特定し歩行者の軌跡を検出した.そして検出した軌跡をLSTMで学習することで,一般的でない軌跡を検知する学習モデルを構築した.実際に,秋葉原の電気街口の監視カメラ映像を用いて評価実験を行い,本手法の有効性を示した.